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4月に来日した中国の温家宝首相は、朝のジョギングや太極拳、大学野球部との交流に笑顔で参加した。その様子をテレビ局や新聞社に取材させ、「親しみやすいリーダー」の印象を日本国民に売り込もうとした。
「親 民」(国民重視)の姿勢は、3月5~16日に北京で開かれた全国人民代表大会(全人代)閉幕後の記者会見でも強調。「生活困難な民衆に目を向け る」「人民の民主的権利を保障し、公平・正義を推進する」「政治体制改革を推進し、権力の過度な集中を減らし、政府に対する監督を強化する」などと語っ た。
ところが、その全人代の期間に暴動が発生。海外メディアの知るところとなっ てしまった。世界のメディアが注目する全人代の期間中、当局はマイナス報 道を厳しく抑え込むのが通例。今回も当初、国内メディアに箝口令を敷いたが、香港や海外のメディアに察知され、当局はメンツを失う結果となった。
暴 動は、中国南部に位置する湖南省の農村で起きた。報道や目撃情報によると、永州市零陵区珠山鎮で、警察車両や路線バスなど計14台が群衆によって 引き倒されたり、焼かれたりした。1人死亡との情報もある。当局は「軍事管制」(戒厳令)を敷き、人と車の出入りを厳重に規制。大量の機動隊と装甲車、爆 発物処理車を投入する物々しさで、緑豊かな静かな農村は、異常な空気に包まれた。
中国ではこうした衝突が尽きない。制度の矛盾、社会の不安定さの表れで、役人の不正・腐敗、権力と結託した業者の無軌道ぶりが横行、生活が苦しい庶民に不満が募っている。
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